皆様勤務お疲れ様です。
本日は介護職員として働いていると関わる事が非常に多い「認知症」について基本的な部分をまとめてみました。
多少掘り下げている部分もありますので是非ご覧ください。
認知症は種類によって特徴や症状が変わります。
なぜ認知症について知っておくことが必要かというと
自分から積極的に勉強することにより覚えた知識と現場での実体験が重なる時に
ストレスが軽減される為と筆者は考えています。(目の前で行われている行動が、なぜ起こっているか理解できるからではないかと思っています。)
認知症とはなんでしょうか?
認知症とは、一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときにみられる状態。
国際的に広く用いられている認知症の診断基準として世界保健機関によるICD-10や米国精神学会によるDSM-III-RおよびDSM-IV-TRがあります。
ICD-10による認知症の定義は「通常、慢性あるいは進行性の脳疾患によって生じ、記憶、思考、見当識、理解、計算、学習、言語、判断等多数の高次脳機能の障害からなる症候群」とされています。 (日本神経学会の認知症の定義より引用)
代表的なもののなかでは
① 脳血管性認知症
④ 前頭側頭型認知症
があり、そのほかに認知症として診断されるものでは
・アルコール性認知症
・梅毒関連認知症
その他慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症も認知症状が出ます。
最後の二つは水分や血種や水分を除去することにより脳の機能が回復します。
① 脳血管性認知症
これは脳梗塞や脳出血などによって脳の神経組織が部分的に破壊されることが原因になって起こる認知症です。
原因が脳梗塞や脳出血等の脳内の血管障害によって起こるものですから、繰り返し発症することが予想されます。
長期間経過を見ていくと段階的に悪くなることが多い認知症です。
受診に至らない程度の変化であっても微細梗塞(ラクナ梗塞)が起こっていることもあります。
血管の障害であり、その特性上発症部位が限定されません。(つまりやすいところはあります)ですので、障害を受けている部位によって失語や麻痺等症状もさまざまに及びます。
脳血管性認知症と関連する病気で注意する病気として高血圧、高脂血症、糖尿病などがあります。
1 アミロイドβたんぱく質(アミノ酸40個前後からなるたんぱく質 )が脳内に異常に凝集し沈着したものができます。
CTやMRIなどで見るとしっかりと斑になっているのでわかると思われますが老人斑と呼ばれるものがこれです。
2 神経原線維変化
この二つの変化が(諸説あります)アルツハイマーの原因として挙げられています。
症状としては
・短期記憶障害(少し前のことを覚えていない)
・見当識障害(時間や場所がわからない)
・実行機能障害(手続き記憶と呼ばれることもありますが、料理や洗濯、買い物などの一連の動作が行えなくなる。)
これらが初期症状としてあげられてきます。
その後症状が悪化して失認(認識ができない)、失行(単純な行動ができない)、失語等が起こり、最終的に体の機能が低下して寝たきりになります。
ここまでの目安として10年程度と言われています。
異常なたんぱく質が脳の神経細胞内にたまったものをレビー小体と呼びます。
所説ありますが原因は断定されておりません。
これが脳幹に出てくるとパーキンソン病になります。
さらに大脳皮質(だいのうひしつ)にまで広くおよぶと、レビー小体型認知症(DLB)
初期症状は幻視、妄想、うつ症状が見られることが多いです。
この症状は日によって、時間帯によって症状がかわることが特徴の一つとしてみられます。(レビー小体型認知症 サポートネットワーク参照)
④ 前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症とは「神経変性」による認知症の一つで、前頭葉や側頭葉前方の委縮がみられます。
脳科学の分野に入ってしまうのですが、脳の部位によってそれぞれ役割がきまっています。
大脳皮質と呼ばれている大脳の外側の部分だけでドイツの脳科学者が52の部位に分けてます。
その中でも前頭葉は「人格・社会性・言語」を、側頭葉は「記憶・聴覚・言語」を主につかさどっています。
そのため、前頭側頭葉型認知症を発症すると、これらが正常に機能しなくなることにより、下記のような特徴的な症状が表れます
・社会性の欠如
万引きのような軽犯罪を起こす、身だしなみに無頓着になるなど、社会性が欠如します
・抑制が効かなくなる
相手に対して遠慮ができない、相手に対して暴力をふるう、度を越したふざけをするなど、自分に対して抑制が効かなくなります。
・同じことを繰り返す
いつも同じ道順を歩き続ける、同じような動作を取り続けるといった、同じ行動を繰り返すようになります。
・感情がにぶくなる
他人に共感できない、感情移入ができないといった、感情の鈍麻(どんま:感覚がにぶくなる)が起こります。
・自発性な言葉の低下
相手に言われたことをオウム返しする、いつも同じ言葉を言い続けるといった、自発的な言葉が出にくくなります。
これらの症状が緩徐(かんじょ:ゆるやかで静か)に進行し、発症後平均6~8年で寝たきりの状態となります。
原因としては「タウ蛋白」および「TDP-43」というたんぱく質が関与していることがわかってきました。
ここまで代表的な認知症の名称と症状をあげさせていただきました。
高齢の方の場合、2つ以上の認知症を発症している場合も少なくありません。
前述した内容を踏まえたうえで、向上心のある方は脳科学の本を読んでみてはいかがでしょうか?
右脳の血管が詰まっている方は感情の起伏が極端であったり、部位と症状を照らし合わせると見えてくるものがあると思います。
いかがでしたか?
本日は基礎編と称し認知症についてまとめさせていただきました。
基礎とは言っても定期的に覚え直していくことが大切です。
本日は閲覧いただきありがとうございます。
明日も皆様が笑顔で働けますように
carestepzeroから皆様へ