最近Xで時々見かけるポストに「意図的に問題視されて攻撃されている」という趣旨の発言を見かけることがたまたま数回ありました。
筆者も身をもって体験しているのですが、そういう状況に置かれたときにもがき続けると、結構沼にハマるみたいなので注意が必要だと思います。
そういう組織体質の職場は早めに切ったほうが良いと個人的には思っていますが、職場の改善をするために立ち上がる人がそこそこいらっしゃるようなので、今日の記事ではそういった「どうでもいい問題を肥大化させたり、肝心な問題を隠蔽(いんぺい)する組織風土」の改善について記事を作成させていただきます。
注意事項
・労力に対して結果が見合わない事を覚悟してください。
・問題提起や改善案を出す際に、反発や圧力を受ける可能性があるため、自分の身を守る準備をしておくことが必須になります。複数用意しておくことをおすすめします。
・非常に時間がかかります。焦らず段階的に改善を目指していきましょう。
こちらの記事が非常に参考になると思います。
1 小さな改善から始める
観察と優先順位をつける: まず、どのような「どうでもいい問題」が肥大化し、どのような「肝心な問題」が隠蔽されているのかを具体的にリスト化します。その後、解決が必要な問題を優先順位付けしましょう。
問題提起の場を作る:周囲に信頼できる同僚や上司がいる場合、非公式な場でもよいので、問題について意見交換できる場を設けます。
2 問題の本質を可視化する
データを活用する:問題の深刻さを示す具体的なデータや事例を集めます。たとえば、スタッフの意見、利用者からの声、業務効率やミス率のデータなどを使い、「これは見逃せない問題である」ことを客観的に示します。
第三者の視点を取り入れる:調査員に現状を確認してもらうことで、客観的な意見や改善提案を引き出すことができます。(ハードルが高いですし、結構大ごとになるため、初手からはお勧めしません)
3 コミュニケーションの改善
建設的な対話を促進:意見を述べにくい雰囲気がある場合、上司やリーダーが積極的に意見を聞く姿勢を見せることが大切です。会議や意見箱などを利用しても良いでしょう。
感情論を避ける:感情的にならず、問題を冷静に話し合う場を設けることが大切です。問題提起が「個人攻撃」や「対立」と見なされないように注意します。
4 リーダーシップを発揮する
正直で透明な行動:自分がリーダーの立場であれば、問題を隠蔽せずにオープンに議論する姿勢を示します。これにより、周囲も問題解決に参加しやすくなります。
模範を示す:他の職員が「どうでもいい問題」に固執している場合でも、自分が肝心な問題にフォーカスして行動することで、周囲に良い影響を与えられます。
5 組織全体の文化を変える
問題解決を評価する仕組み:どうでもいい問題を避け、肝心な問題を解決しようとする行動が評価される仕組みを作ることが重要です。
以下がその仕組みの具体案です。
問題解決行動を評価基準に含める
評価制度の見直し:職員の業績評価に、「問題解決力」や「組織全体への貢献」を盛り込む。具体的には以下の項目を評価に加えます。
・具体的で重要な問題を見極める力
・問題に対する建設的な解決提案
・提案を実現させる行動力
・他の職員やチームへの良い影響
行動記録:職員が問題解決のために行った具体的な行動や成果を記録し、評価者がこれをもとに判断します。
解決事例を表彰する
成果を可視化する:実際に肝心な問題を解決した事例を全体で共有し、その職員やチームを公に評価する。これにより、「問題解決に取り組むことは価値がある」という認識が組織全体に広がります。
事例発表会:毎月や四半期ごとに、問題解決の成功事例を発表し、表彰する場を設けます。施設内報や会議などが良いです。
報酬制度:解決に成功した場合にインセンティブ(ボーナス、特別休暇など)を付与します。
問題解決のプロセスを重視する
結果だけでなくプロセスも評価:解決までに至らなくても、肝心な問題に挑戦した行動や、建設的な提案をした職員を評価対象にします。
例)問題を明確化するためのデータ収集や分析を行った職員を評価する。
「挑戦したこと」に対して報酬や感謝を示すことで、職員が恐れずに問題解決に取り組める環境を作ります。
重要な問題を共有する仕組み
優先課題を明確化:上層部が組織全体で取り組むべき「肝心な問題」のリストを定期的に公表します。これにより、職員が何に集中すべきか分かりやすくなります。
例: 「利用者の満足度向上」「業務効率化」「スタッフの離職率低下」など具体的な目標。
スタッフの声を反映:現場の職員が気付いた重要な問題を提案できる仕組みを作ります(匿名意見箱や定例ミーティング)。ただし、なんでも反映させればよいというわけではありません。それこそ問題提起型の職員の温床になる可能性がありますので、反映を行う時は内容を厳選してください。
リーダーの育成
問題解決を率先するリーダーを育てる:リーダーが「どうでもいい問題」に固執せず、重要な課題に向き合う姿勢を示すことで、部下にも同じ姿勢が浸透します。
リーダー研修で「問題解決力」「優先順位のつけ方」を強化。
「現場の声を吸い上げ、解決策を実行する」役割を担う人材を増やします。
透明性と公正性の確保
評価基準の透明化:何が評価されるのか、何が「肝心な問題」と見なされているのかを全員が理解できるよう、評価基準や課題リストを公開します。
第三者による評価:内部評価に加えて、外部の第三者が評価を行う仕組みを取り入れ、偏りを防ぐ方法もあります。ありますが、第三者が評価を行う場合は、評価を行う際に表層の情報に偏るという欠点もありますので、取り入れる際は参考にする程度が良いと思います。
トレーニングと教育
問題解決スキルの教育:スタッフに問題解決のスキル(例えば、課題分析、根本原因の特定、優先順位の設定)を教える研修を定期的に実施します。
成功事例の共有:他施設や他業界の成功事例を学び、それを自施設に適用する方法を議論します。
具体例)
利用者の安全に関わる重要な問題(転倒事故の防止策など)を提案したスタッフを月間MVPとして表彰した。
コミュニケーション不足によるトラブルの改善案を実現した職員に特別休暇を付与した。
問題解決に役立つ情報共有のプラットフォームを構築した。
提案した改善案がどのように実行されたかを追跡し、評価に反映する。
この仕組みのポイントは、職員が「自分の行動が組織にとって重要であり、正当に評価される」と感じられる環境を作ることです。
現場の声やアイデアを取り入れながら、少しずつ制度を整えていくことが効果的です。
冒頭でもお話したように、組織を変えるためにかかる時間と労力は甚大なものとなります。
焦らず、無理をせずにじっくりと実施することが大切です。
また、自分の身の安全を確保することを最優先に取り組むことを忘れずに取り組んでください。
狙うモルガナさん